標識に求められるユニバーサルデザイン

現代の世界においては、それぞれの人が持つ特徴や個性を尊重した社会のあり方が求められています。
世界に住む人の数は非常に多く、ひとつのものに対してであっても、それぞれの国や文化圏によって捉え方はさまざまになります。
そうした中でより注意が必要になるといわれているのが「ユニバーサルデザイン」というものです。
ユニバーサルデザインとは、文化や言語、国籍の違い、性別や年齢層といったような違いや、障害の有無、能力の有無などに関係なく利用ができるように配慮がされているデザインです。
特に身近な例を挙げるとすれば、シャンプーのボトルなどがこれにあたります。
現在製造されているシャンプーの多くは、リンスとボトルサイズが一緒であっても、横に溝をつけるように配慮がされています。
この溝に触れることさえできれば、目が見えない人や、視力が衰えている人であっても「これはシャンプーだ」ということが読み取れるようになるのです。
また牛乳パックの上部につけられた切り欠きなども、目で見ることなく飲み口ではない方向を理解できるようになるユニバーサルデザインのひとつです。
こうした配慮がされたデザインというものは、現代社会において必要性が非常に高くなっています。
このデザインが現在つよく求められているのが、「標識」です。
特に「一時停止」や「通行止め」などの交通標識などは、それを読めなかったというだけで大惨事が引き起こされかねません。
そのため現在では、背が低い人や車椅子の人でも視認しやすいような高さに標識を設置したり、知的障害を抱えているために難解な図柄が理解できない人のため、よりシンプルかつわかりやすいデザインを行うなどの工夫がされています。
しかし標識という分野にユニバーサルデザインを持ち込むにあたっては、さまざまなポイントで問題があるのも事実です。
特に大きな問題となっているのが、これまで標識などのデザインにかかわってきた人は、いわゆる「健常者」が多かったということです。
目が見えない人の世界は、その目が見えない人にしか理解できませんし、車椅子の人が見やすい高さというものも、車椅子を使用していない人にとっては想像で考えることしかできません。
こうしたそれぞれの人の能力などによって発生してしまうギャップをなるべく少なくし、あらゆる人が公平に生活できる場を作るという意味でも、標識にたいしてユニバーサルデザインを実施していくことは重要となっているのです。