冬から春、春から夏…など、季節の変わり目は気候の変化も激しいことから、体調不良を起こしやすい時期です。実際に、頭痛や肩こり、腰痛、筋肉痛といった症状を経験された方は多いと思います。
特に、外出やスポーツをする機会が増える3~5月は、運動による怪我なども多いといわれています。
接骨院(整骨院)を営む柔道整復師の方々は、いつ何時患者さんが訪れても良いように院の内外を綺麗にしておきたいですね。
実は、接骨院(整骨院)は他の店舗や病院などと比べて、潜在需要が多い業種に分類されるんです。
今回は、接骨院(整骨院)の看板製作で重要な点を解説していきます。接骨院(整骨院)の看板には広告規制があるため、違法にならない表現方法などもチェックしていきましょう!
接骨院(整骨院)の施術所数や需要の実態は?
これから接骨院(整骨院)を開業するけれど、実際どれくらい競合がいるのか。すでに接骨院(整骨院)を運営しているものの、集客に伸び悩んでいる。など、柔道整復師の方々それぞれにお悩みがあるかと思います。
まずは、データ調査をもとに、接骨院(整骨院)の施術所数や需要の実態といった業界の現況を知っておきましょう。
東京都は全国2位の施術所数
全国柔鍼灸協同組合の調査によると、令和4年末における都道府県別の柔道整復施術所(接骨院・整骨院)数の全国一位は大阪府の6,756件となっています。
つづく2位が東京都で6,186件、3位が埼玉県で3,030件です。令和2年末と比較した施設の増減数の3位に神奈川県(68件)が入っています。
出典:都道府県別の柔道整復施術所(接骨院・整骨院)数について|全国柔整鍼灸協同組合
データを参考にしてみても、人口がトップの東京都は接骨院の施設数も多いことが分かります。
顕在需要よりも潜在需要の方が多い
埼玉県新座市のアンケート調査では、整骨院の受診理由でもっとも多いのが「ケガ」という結果が出ています。次いで、肩こりなどの痛みや痛みの再発などが多くを占めます。こちらの結果だけを見ると、慢性的な症状で受診する人より突発的な症状で受診する人の方が多いと捉えられますね。
市場調査データでは、整骨院の現在の利用状況に関して、利用経験がある人の割合は全体の約半数。継続して利用している人の割合は「よく利用している」「たまに利用している」の10%の結果が出ています。同データで「利用したことがない」と答えた年代・性別は、20代男性、30代男性、20代女性の順に多くなっています。
整骨院に積極的な利用意向を持つのは、20代女性で36%、40代男性で30%の割合となっています。消極的な利用意向(利用したい+どちらともいえない)を持つのは、30代男性で70%、40代女性で69%の割合です。
現在の利用状況と今後の利用意向を照らし合わせてみると、利用したことがなく且つ利用意向を持つ人(潜在需要)は、20代~40代男性や20代、40代女性に多いことが分かります。
接骨院(整骨院)の看板デザインをする際に意識したいこととは?
ここからは本題に戻り、接骨院(整骨院)の看板製作について、集客につながるポイントを解説していきます。東京都や埼玉県など、競合が多いエリアで集客を狙う場合、看板の果たす役割は非常に大きなものになるでしょう。
ここでは、看板デザインをおこなう際に意識したいことを挙げていきます。
集客アップは潜在需要の掘り起こしから!
前項の接骨院(整骨院)に関する市場調査データで、「利用したくない」という声が多かったのが気になる方もいるのではないでしょうか。確かに、文字面だけで判断すると、接骨院(整骨院)に興味がない、あるいは否定的であるという捉え方ができますが、必ずしもそうとは言い切れません。
「利用したくない」「どちらかというと利用したくない」という理由は主に3つ考えられます。
- 接骨院(整骨院)が自分に必要ないと思っている
- 接骨院(整骨院)についての知識がない
- 接骨院(整骨院)にマイナスイメージを持っている
上記の1や2は、調査当時に利用意向がないというだけで、必要になれば、あるいは何かのきっかけで興味を持てば心変わりする見込みがあります。つまり、潜在顧客として広告のターゲットに含まれるわけです。
3についても、マイナスイメージさえ払拭できれば、顧客になる可能性は十分あります。
ですから、集客を成功させるには、利用意向がない層(60代の男性・女性)の潜在需要の掘り起こしも大切です。接骨院(整骨院)の魅力が伝わるよう、看板デザインの訴求力を高めましょう。
看板広告のターゲットを定める
看板は本来「看板広告」と呼ばれるように、新聞やチラシ、CMなどと同じ広告の一種です。
これら広告の集客力は、「どんな人」に向けて訴求を行うか決める=ターゲティングの成果でも左右されます。
看板広告は他の広告とは異なり、限定された場所に設置されるため、主に通行人がターゲットとなるわけです。
ですから、看板広告でターゲットを定める時は、その地域にどんな人が住んでいるか、年齢や性別、家族構成、職業、ライフサイクルなどを見極めることが肝心です。実際、地域の特性を知るために、看板製作の前に設置エリアの人通りや交通量、通行人の層をデータ化する事例も珍しくありません。
例えば、東京の原宿や渋谷などに看板を設置する場合、20~30代の男女やビジネスマンをターゲットに定めます。ちょうど、市場調査データでの【利用したことがなく且つ利用意向を持つ人=20代~40代男性や20代、40代女性】という潜在顧客とも合致しますね。
柔道整復師法による接骨院の広告規制について
看板を含め、接骨院(整骨院)の広告は、法律で内容が規制されているため、違法にならないよう注意が必要です。
接骨院(整骨院)の看板広告に関連するのは柔道整復師法という法律で、違反した場合は広告物の作成者ではなく施術所の責任者・つまりはオーナーさんが罰則を受けることになります。
ここでは、柔道整復師法にもとづく接骨院(整骨院)の看板の広告規制について詳しく解説します。
法律で許可されている広告可能な内容とは?
広告に該当するのは、建物の外に設置する看板やポスター、不特定多数の人に発行されるチラシ、新聞や雑誌の広告、ダイレクトメール、インターネット広告などです。柔道整復師法第24条では、これらの広告に関して掲載可能な範囲を定めています。
◆柔道整復の業務又は施術所に関して広告できる事項
柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。
1 柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所
2 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
3 施術日又は施術時間
4 その他厚生労働大臣が指定する事項(平成 11 年 3 月 29 日厚生省告示第 70 号)
(1) ほねつぎ(又は接骨)
(2) 柔道整復師法第 19 条第 1 項前段の規定による届出をした旨(注)
(3) 医療保険療養費支給申請ができる旨
(脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が
必要な旨を明示する場合に限る。)
(4) 予約に基づく施術の実施
(5) 休日又は夜間における施術の実施
(6) 出張による施術の実施
(7) 駐車設備に関する事項
接骨院(整骨院)の看板を設置する際は、上記に記載された事項以外は表示することができません。以下では、具体的にどのような表示が違反となるのか、詳しくご説明します。
医療機関と誤解させる表示はNG
まず、柔道整復師法第24条に規定される施設の名称に関してのルールです。
接骨院(整骨院)を開業するには国家資格が必要ですが、医療機関ではありません。ですから、医療機関や病院と誤解させるような表示は禁止されています。
◆違反例
- 〇〇診療所
- 〇〇治療所
- 〇〇療院(治療院)
- 〇〇メディカル
- 〇〇クリニック
※ただし、「業態名+治療院」は認められます。
同様の理由から、施設名以外の箇所においても医療機関と混同しやすい表示が禁止されています。
◆違反例
- 診療(診察)⇒「施術」表記ならOK
- 診療時間(診察時間)⇒「施術時間」ならOK
- 治療(治す)
- 休診日、初診
- 適応症状(肩こり、腰痛、がん、骨盤矯正、スポーツ外傷など)
- 交通事故治療、交通事故相談、交通事故対応など
- 有名人の〇〇や〇〇選手が通院しています
- 各種保険適用、医療保険取り扱い
法律の規制を遵守した表示をおこなうことは、患者さんの信頼獲得にもつながります。違反しないよう十分留意しましょう。
出典:第9回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会|厚生労働省
技能や料金、不明瞭な施設名はNG
柔道整復師法第24条の範囲外の内容として、柔道整復師の学歴や技能、施術内容(具体的な方法含む)も挙げられます。すなわち、「〇〇専門学校出身」や「東洋医学に基づき~」といった表示はできないというわけです。
また、一見しただけでは接骨院と判断できないような不明瞭な施設名、患者を限定するような施設名、料金に関する事項も広告不可とされています。
◆違反例
- 〇〇本舗、○○館、○○ランド、〇〇センター、〇〇サロン
- 整復師の氏名・苗字・名前のみ
- 整体院、リラクゼーション、カイロプラクティック、もみ・ほぐし
- 女性専用、男性専用、レディース、メンズ、ケガ専門
- 施術料金〇〇円、無料体験、無料送迎
看板製作の際は、誰が見ても接骨院と分かるように表示することが大切です。
整骨院の名称は原則としてNG
柔道整復師の施術所の名称は、「接骨院」もしくは「ほねつぎ」とするように定められています。現在、多くの施設が整骨院の名称を用いているのが現状ですが、新たに開業や移転、名称変更する場合などは「整骨院」の表示ができません。
整骨院の表記が整形外科や整体と混同しやすいということが医師会や消費者団体から指摘があったのが、ことの経緯となります。厚生労働省によるガイドライン作成方針についての議論での論点となり、全国柔整鍼灸協同組合により、名称使用存続の署名活動などもおこなわれました。
しかし、2023年の厚生労働省「柔整・あはきの広告検討会」にて、「整骨院」の名称使用が認められないことになったのです。
参考:あはき・柔整の施術所の名称について(第9回広告検討会) | 東京鍼灸マッサージ協同組合
まとめ
柔道整復師法にもとづく広告の規制があることから、接骨院(整骨院)の看板デザインには専門的な知見が必要と考えられます。万が一、誤った表示をおこなえば、処罰を受けるだけでなく、患者さんからの信頼も失いかねません。
接骨院(整骨院)の看板を新規製作、リニューアルする際は看板の知識が豊富な専門業者に依頼することをおすすめします。
弊社・オーエスアートでは、東京・神奈川・千葉・埼玉のエリアで看板製作および施工をおこなっております。国土交通大臣の認定資格「屋外広告士」も在籍する看板専門店に、皆さまの施術所の集客アップをお任せいただけませんか。
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