【前編】薬局・ドラッグストアの看板リニューアルで「かかりつけ薬局」を目指そう!需要や集客のポイントは?

近年、医薬品や大衆薬、サプリメントなどが気軽に購入できる店舗として、薬局やドラッグストアの需要が大きく増加しています。

特に、人口が集中している東京・神奈川・千葉・埼玉の首都圏では、薬局やドラッグストアの存在意義は大きいでしょう。

需要の大きさは競合の多さに比例するケースが多く、集客アップには他店との違いを明確にする創意工夫が必要です。その方法の一つとして、看板の設置・リニューアルを提案させていただきます。

今回は、薬局やドラッグストアの看板製作で重要なポイントを解説していきます。

新規の患者さんやお客さんがなかなか増えないとお悩みの方には、この機会に看板デザインの集客への影響力をぜひ知っていただきたいです。

薬局とドラッグストアの違いとは?どんな種類の薬を販売できる?

まずは、薬局の定義やドラッグストアとの違い、販売できる薬の種類をおさらいしていきましょう。

薬局は調剤や情報提供を行う場所

タブレットを触る人の写真

2014年11月に薬事法が改正されるともに、薬事法の名称が薬機法に変わり、薬局の定義も改められました。

薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務並びに薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所(その開設者が併せ行う医薬品の販売業に必要な場所を含む。)をいう。

引用:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第二条(定義)

従来、薬局は医師が発行した処方箋に基づいて調剤を行う場所でしたが、薬機法改正により、調剤を行い、かつ薬に関する情報提供や指導を行う場所と改められたのです。

また、2020年9月に施行された薬剤師法により、薬の使用状況を継続的かつ的確に把握し、適切なフォローをおこなうことが義務化されました。

これら法改正により、患者さんにとっての薬局の存在意義はより大きなものになったといえます。

薬局とドラッグストアでは取り扱う薬が違う

処方箋の写真

薬局とドラッグストアでは、薬剤師の常駐、取り扱える薬の種類に違いがあります。

薬局の特徴

薬局は常駐している薬剤師が調剤を行うことから、「調剤薬局」というのが一般的な呼称です。正式には「保険薬局」と呼ばれており、医療法においては医療機関に位置づけられています。

医師に処方された薬(医療用医薬品)を調剤してもらうことができるため、都合の良い時に薬を受け取れる、代理の人に頼めるなど、患者さんにとっての利点も多いです。

処方箋のいらないOTC薬(一般用医薬品、要指導医薬品)も購入できるため、自分自身で健康管理を行う「セルフメディケーション」のサポートもできます。

ドラッグストアの特徴

一方、ドラッグストアは、薬局の機能を持つものと店舗販売業の許可をとって営業しているものの2種類があります。

薬局の許可を取っている場合、処方箋を元に調剤が可能です。

店舗販売業の形態を取っている場合、要指導医薬品(薬剤師のみ)や一般用医薬品(登録販売者は第二・三類のみ)の販売は可能ですが、処方箋が必要な薬は販売できません。「薬店」「くすり屋」と呼ばれる店は、店舗販売業のドラッグストアに分類されます。

ドラッグストアは、医薬品だけでなく、サプリメントや化粧品、日用品などさまざまな商品を取り扱っている店舗として、幅広い年齢の方に利用されています。

参考:薬局とは-一般社団法人島根県薬剤師会

薬局とドラッグストアの競合数や需要の実態を調査してみました!

蛇と秤がかかれた 緑十字の写真

看板製作を行うにあたり、薬局やドラッグストアを取り巻く現況を知ることも大切なプロセスです。両者の競合・需要などの実態を調査してみましたので、併せてご紹介します。

1都3県の薬局数は1万6千軒以上

厚生労働省の統計調査によると、2021年度末時点での薬局数は以下になっています。

エリア薬局数(軒)
全国61,791
東京都6,992
神奈川県4,093
千葉県2,586
埼玉県3,100

※衛生行政報告例|厚生労働省

このデータを見ると、全国61,791軒の薬局のうち、3割近くが1都3県に集中していることが分かります。中でも東京都の薬局数は全国1位ですから、その分競合も多いというわけです。

つづいて、ドラッグストアの店舗数ですが、JACDS(一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会)の正会員は22,621店舗となります。JACDS非会員を含めると、さらに多くの店舗があることが見込まれます。

薬局やドラッグストアの利用率は女性の方が高い

薬局やドラッグストアの顕在顧客を知るには、それぞれの利用状況のデータが参考になります。

薬局の利用状況

薬局の利用状況(男性)を調べた円グラフ
薬局の利用状況(女性)を調べた円グラフ

出典:調剤薬局 | 市場調査データ | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

ほぼ毎日~2、3ヵ月に1回を合わせた薬局の利用率は、男性35%、女性44%と女性の方が多い結果になっています。

同調査では、60代の男女や50代女性の利用率が特に高いというデータもあります。比較的高齢の方の需要が大きいのは、年齢とともに病気のリスクが高まるためでしょう。

ドラッグストアの利用状況

ドラッグストアの利用状況(男性)を調べた円グラフ
ドラッグストアの利用状況(女性)を調べた円グラフ

出典:ドラッグストア(2021年度版) | 市場調査データ | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] 

「よく利用している」「たまに利用している」を合わせたドラッグストアの利用率は、男性83%、女性93%と女性の利用率の方が高い傾向にあります。同調査では、30~60代女性の利用率が特に高く、30代女性が半年に1回以上利用する割合が100%というデータも出ています。

ドラッグストアは、薬の処方以外の目的で来店する方も多いです。日用品やベビー用品、生理用品なども取り扱っているため、女性客が多いのも納得ですね。

ドラッグストアの潜在需要は少ない

ドラッグストアの店頭の写真

調剤薬局に関する市場調査データでは、「利用したくない」を除く利用意向を持つ人の割合は全体の80%という結果が出ています。男女別では男性75%、女性84%と女性の方が多い傾向にあります。中でも、40代女性は顕在需要・潜在需要ともに多いことから、メインターゲット層として考慮しましょう。

ドラッグストアに関する市場調査データでは、潜在需要は年齢性別問わずマイナス、あるいは0~10%台と非常に低いことが分かっています。よって、看板製作においては、顕在顧客へのアピールを優先するのがベターです。

薬局・ドラッグストアの看板リニューアルで集客アップを狙うのに押さえておきたいポイント

荻窪 日の出街商店街の写真

顧客ターゲットをある程度絞ったところで、いよいよ看板デザインに取り掛かります。おしゃれで目立つ看板を立てれば、必ずしも集客アップに繋がるというわけではありません。薬局やドラッグストアにおいては、患者さんやお客さんに寄り添う気持ちが大切です。

ここでは、看板を設置・リニューアルする際に押さえておきたいポイントを解説していきます。

自分の健康を意識している人が多い

自分の健康をどれくらい意識しているか調査した円グラフ

出典:薬局の利用に関する世論調査 -内閣府

2020年10月におこなわれた世論調査では、自分の健康をどれくらい意識しているかの設問に「意識している」と答えた人が全体の90%でした。「とても意識している」と答えた人の割合がもっとも多かったのは、70代以上で40.6%です。

年齢層が低くなるにつれて「意識している」割合は低くなりますが、年齢性別問わず自身の健康を気にしている人が非常に多いことがわかります。

薬局が健康維持や病気の治療、予防の機能を持つことを考えると、患者さんやお客さんに「健康」「信頼」「安心」をもたらすことが集客アップの鍵になってくるでしょう。

ドラッグストアはお得感や入りやすさが重要

最もよく利用するドラッグストアの選択理由

出典:第31回 生活健康基礎調査 ~市販薬購入時にドラッグストアで聞きたいこと~|プレスリリース|NEWS|株式会社インテージヘルスケア

あるウェブ調査では、「最もよく利用するドラッグストアの選択理由」として、買い物・通勤・通学の上で便利と答えた人が64.1%という結果が出ています。地域の人に店舗の存在を知ってもらうためにも、ドラッグストアの看板広告は必須といえるでしょう。

また、ポイントカードの特典がお得であることや日用雑貨が安く買えることを挙げている人も多いことから、ドラッグストアの看板では「お得感」を演出するのも効果的です。

駐車場などがあれば、お客さんに分かりやすいように看板を設置しておきたいところ。重厚な雰囲気よりも親しみやすさを重視してデザインをおこなえば、お客さんも気軽に入りやすいと思いますよ。

処方箋薬が出せれば強みになりますから、看板で強調しておくのも忘れないでください。

お客さんがなんとなく足を運びたくなるような、おしゃれで明るい看板を設置しましょう!

門前薬局よりもかかりつけ薬局の時代

薬剤師と話す人の写真

ひと昔前は、受診する病院で薬を出してもらう院内処方が一般的でしたが、近年は医師が診察・処方して薬局が薬を出すという医薬分業が主流となっています。

超高齢化社会を迎えようとしている今の日本では、高齢者の健康管理や薬の正しい使用方法などをサポートする存在が必須と考えられているのです。病院の近くの薬局が薬を出す門前薬局も医薬分業の一つですが、遠方の患者さんにとって、いつでも相談できる存在とは言えない場合があります。

そんな時、自宅の近くに気軽に相談できる薬局があれば、安心して薬を処方してもらうことができます。

こうした背景から、門前薬局よりもかかりつけ薬局の時代といわれており、厚生労働省などの公的機関でも「かかりつけ機能の強化」が推奨されています。

現在、門前薬局としての機能を持つ薬局も、薬を処方するだけでなく、一人ひとりの健康を気遣う気持ちや患者さんとのコミュニケーションにも目を向ける必要がありそうです。

地域の患者さんに選ばれる薬局を目指して看板デザインに取り組みましょう。

参考:身近な健康の相談役「かかりつけ薬剤師・薬局」を持ちましょう|厚生労働省

まとめ

ニーズが多様化する中、薬局やドラッグストアは単に調剤を行うだけの場所ではなくなっています。顧客ターゲットを正確に割り出した上で、患者さんやお客さんの「かかりつけ薬局」「利用しやすいドラッグストア」になってくださいね。

弊社・オーエスアートでは、屋外広告士監修のもと、東京・神奈川・埼玉・千葉のエリアにて、薬局やドラッグストアの看板製作に対応しております。どの業種においても、看板は集客に大きな影響をもたらします。開業やリニューアルの際は、外装を含めたトータルプロデュースを弊社にお任せください。

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